KISSKISS


何でかな…―

何であたし泣いちゃったんだろう…


「俺の歌声に感動した?」

「…それも一理あるって事にしといて」


「…何で泣いてんだよ?話してみろよ」


困ったように聞く彼に涙の理由を話し始める…―


「懐かしいなぁ…って思ったんだ。昔は、ママもパパも今みたいに家を開けたりする事がなくてね?誕生日はママのピアノで歌を歌ってくれた。パパが手拍子して…」


あたしの意思とは裏腹に涙が溢れて止まらない。


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