KISSKISS
「…行くよ」
「うん、あたしも美結と約束あるし。ごちそうさま」
まだ食べている途中の悠斗さんを残して、部屋に戻った。
まだ、八時半…
約束の時間には、まだまだ余裕がある。
窓を開けて外をボーッと眺めて思い付いた。
「散歩でもしようかなぁ…」
言うが早いかさっさと服を着替えて、階段を下りる。
リビングを覗くと洗い物をしている悠斗さんに
「散歩して来る」
一言だけ伝え玄関に向うあたしを呼び止める声が聞こえた。