KISSKISS
「出来ないよ!あんた容赦しなさそうだもん…」
本気で投げそうだし…―
「ハハ…バレたか」
「ねぇ?」
「あ?」
「何で機嫌悪いの?」
遠くに見える高層ビルの群れを見つめながら聞いた。
「お前だろ?機嫌悪いの」
…―あたし?
「至って普通のつもりだけど?」
「女には色々とあるもんねぇー…?」
何よ…色々って…―
「まぁ、お前が普通ならいいんじゃないの?」
目を細め缶コーヒーを一口飲みながら言った。