KISSKISS


「出来ないよ!あんた容赦しなさそうだもん…」


本気で投げそうだし…―


「ハハ…バレたか」


「ねぇ?」


「あ?」


「何で機嫌悪いの?」


遠くに見える高層ビルの群れを見つめながら聞いた。

「お前だろ?機嫌悪いの」

…―あたし?


「至って普通のつもりだけど?」


「女には色々とあるもんねぇー…?」


何よ…色々って…―


「まぁ、お前が普通ならいいんじゃないの?」


目を細め缶コーヒーを一口飲みながら言った。


< 59 / 170 >

この作品をシェア

pagetop