KISSKISS


―――…


買い物も終わって駅で美結と別れ家に着いた。


「何か疲れた…アイツのせいだ…」


誰もいない静かな家の中で一人ぼやく。


「静かだなぁー…」


アイツが来るまではこれがあたしの当たり前だった。

聞こえるのはテレビの音とラーメンをすする音だけ。

でも、アイツと暮らし始めてから、それは当たり前じゃなくなった。


アイツの怒鳴り声やあたしの叫び声に笑い声…


「何かさびしー…」


シンとしたリビングにあたしの声だけが響いた。


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