KISSKISS


会話を交わす事もなく朝ごはんを綺麗に食べ終わるとさっさと台所にお皿を運んだ。


(まさか…洗えなんて言わないよね?)


気付かれないように悠斗さんの方に振り向くと


「皿を運ぶなんて偉いじゃん、そのまま置いて部屋に戻るのかと思ったよ」


「…あ、そう」


嫌味を含める刺々しい言葉…


相手にしてはキリがないと適当に返事をして立ち去ろうとした。


「…!!!」


その腕をいきなり掴まれて彼を睨む。


「…まだ何か言いたい事でもあんの?」


あたしの冷たい視線と言葉に動じる事もなく…


「今までは好き勝手にやってたみたいだけど…俺はあんたの執事でも家政婦でもない。よーく覚えといてね?お嬢ちゃん♪」


小馬鹿にしたように笑うと手を離した。


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