男 友 達


とにかく、アイツに会いに行かなきゃ。


アイツの家に向かって歩いていると、
雨が降ってきた。

なんだよ、さっきまで超天気良かったし、
夕焼けも綺麗だったのに。

俺の気持ちも、大荒れだ。いや、台風なみだ。
くそ。


傘…持ってねぇし。

コンビニのビニール傘を買えばいいのに、

俺は濡れたまま、歩き続けた。


辺りはすっかり暗くなり、めちゃくちゃ寒くなってきた。

咳込んで、はっとした。

「やべ…」

独特の呼吸音。
発作だ。
吸入器、持ってねぇ。

アイツの事が気になったけど、家に帰らないとマズイ。

俺は自分の家に帰る事にして、方向を変えた。


< 106 / 268 >

この作品をシェア

pagetop