男 友 達


苦しい…

休み休み、胸を押さえながら咳込みつつ歩く。

大丈夫。家に帰れば薬もあるし。

ちょっとツライのは今だけ。

自分に言い聞かせる。

家の前までたどり着くと、隣の家から傘をさして誰かが出てきた。

「わっケンちゃん!?
ちょっと!ずぶ濡れじゃない!
傘持ってなかったの!?」

大声を出してるのは、
加奈だ。


「…ちょっと、ケンちゃん?」

急に近づく顔。
俺の口元に耳を寄せる。

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