男 友 達


俺の呼吸音を確かめて、喉元を見て、

「陥没呼吸…」
と呟いた。

「発作ね。
ケンちゃん久しぶりなんじゃない?
歩ける?
おばさん呼んでくる?」

心配そうな声をあげる。

幼なじみの加奈の前で、発作を何度も起こした俺達兄弟のせいで、
加奈は発作に慣れている。

「加奈、わり…」

俺は力無く言った。

「…ちょっと肩貸して…」

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