男 友 達


加奈の肩に寄り掛かった。息を整える。

加奈は俺の背中に手を回して、さすりながら言った。

「ん…ゆっくり、呼吸して。大丈夫?」


しばらくして、少し落ち着いた俺を確認して、

「おばさん、怒りそうだね。吸入器、持ってなかったんでしょ?」

って少し笑った。

「大丈夫だよ、一緒に行ってあげるから、ね?」

加奈は俺の頭を軽く撫でた。


子供扱いしやがって…

そう思っても、
反抗する元気なんかなくて。

俺は加奈に手を引かれて、家に入って行った。


< 109 / 268 >

この作品をシェア

pagetop