男 友 達


「…ゴメン、大きな声出して」

私はそう言うと、
ケンタから目をそらして、自分の机に座った。


ケンタが何か言いたそうな顔をしていたけど、

私は今の自分が恥ずかしくて、俯いていた。

机の中を意味もなく探ると、

身に覚えのない、封筒らしき物が手に触れる。


何…?手紙…?

差出人は、ない。


開けてみると、

『今日の放課後、視聴覚室まで来て下さい』

と書かれていた。


『1年3組 佐々木 潤』

え?
これって…


「…呼び出しかよ」

はっと気付くと、
そばにケンタが立っていて、

手紙を覗き込んで言った。

「…へぇ、葵って、
結構モテるんだな。」

その声は、なぜかトゲのある言い方だった。


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