男 友 達


視聴覚室の前。

佐々木君って喋った事ないのに、なんで私の事知ってるんだろ…。

思い切ってドアを開けると、可愛い感じの男の子が立っていた。


「ゴメンね、急に呼び出して」

「ううん…」


佐々木君。

うん、確かに中学は一緒だった。それは覚えてる。
髪の毛がくせ毛かかってて、可愛い子だなって印象。
多分、中学の時も人気あっただろうな。


「川嶋さんは、俺の事知らないよね。でも、俺はずっと、君を知ってたんだ」

彼は続ける。

「一度も同じクラスになれなくて、でも高校に入ったら、今度こそ同じクラスになれるかなって思ってた。
また、なれなかったんだけどね」

彼は少し笑った。


「ずっと、好きだったんだ…」


そう告げられて、ドキドキした。

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