男 友 達
教室のドアの前で、誰かと話してる。
それは、呆気に取られた様な顔をして話す、
葵だった。
「…加奈?」
振り返った加奈の顔は、微かにしまったという感じで引きつっていた。
思わず腕を引っ張って、教室から逃げ出した。
「加奈!お前アイツに何言ったんだよ!」
階段の踊り場で加奈に問いただす。
「え?アイツ?
えぇっ!?私が話してたコがケンちゃんの想い人だったの!?」
分かってなかったのかよ。
さすが天然女だ…。
俺はがっくりと肩を落とす。