男 友 達

加奈に話したってどうにもならないのに…

でも本当は、

誰かに気持ちを聞いて欲しかったんだ。


俺は、今まであったことを、加奈に打ち明けた。

｢…俺、やっぱりアイツとは、友達以上になれないみたいだ｣


すっかり弱気になって、そんな言葉が口から出た。


｢ケンちゃん…、あのさ…｣

加奈は呟く。

｢…ケンちゃんって、やっぱ結構鈍いよねぇ…｣

｢…は？｣

｢葵ちゃんは、あの日、ケンちゃんに会いに来たんじゃないの？｣