男 友 達
なんで?
どうしてここにいるの?
ドアを閉めて、近づいて来る。
「ケンタ…なんでここに…?」
ケンタは荒い息のまま、喋り出す。
「…お前、なんでそんな顔してんの?
調子悪い?
顔、青いぞ?」
ここは、この間ケンタと話した空き教室だった。
ここならいつも誰もいないから、私はここに逃げ込んだ。
いい思い出の場所じゃないけど…。
「どうした?なんで教室から出てったんだよ?」
ケンタは本当に心配そうに私を見る。
「吐きそうか?
お前、結構身体弱いんだから」
ケンタは、いつだって優しい…。
「…吐きそうなら、こんなに走れないよ…」
あぁ、そっか、とホッとした表情のケンタを見て、私はちょっと笑った。