男 友 達


「…やっぱり彼女だったんだね」


私は沈黙に耐えられずに口を開いた。

ケンタは黙ったままだ。


「なんで先輩なのに知り合ったの…?」

「…加奈は隣に住んでるから…」

え?

ふう、とため息をついた後、続ける。

「幼なじみなんだ」


…知らなかった。

私の知らないケンタを、ずっと前から彼女は知ってるんだ。

敵うわけ、ない。

ショックな気持ちを隠して、床を見つめる。


「葵は…?

佐々木と、付き合ってんの…?」


< 191 / 268 >

この作品をシェア

pagetop