男 友 達
「え?」
ケンタは、壁に寄り掛かりながら、
「佐々木、最近ずっと教室に遊びに来るし…
ひょっとして…もう付き合ってんのかなって」
不機嫌な様子でそう言った。
まさか。
そんなわけない。
でも…気にしてくれてるのかな。
なんか、嬉しい。
「…付き合ってなんかないよ」
そう言うと、ケンタの表情が少し緩んだように見えた。
私達は久しぶりに、しばらくたわいのない話をしていた。
ケンタの彼女の事は、出来るだけ考えないようにしていたら、
前の仲が良かった頃の友達関係に戻ったような…
そんな錯覚を覚えた。