男 友 達
「気のせいか…」
先生の足音が遠ざかって行く。
私は「良かった…」と息をついた。
「あぶねぇ…見つかったらやばかったな…」
ケンタもホッとして私を見る。
目が合って、さらに心臓が高鳴った。
ち、近すぎるって…!
「あ、ごめんね、ケンタも巻き添えで怒られたら割に合わないよね…!」
変に声が上ずって、ケンタから離れようとした。
でも、ケンタは腕を離さない。
「ケンタ…?」
「葵…一つだけ聞いていいか?」
ケンタは、私の目をまっすぐ見ていた。
私も目を逸らす事が出来ない。
「俺が加奈と付き合ってるって事、どう思った…?」