男 友 達
ケンタの制服の上着のすそを遠慮がちに握る私。
「…どうでもいいけど、お前、もう少しちゃんとつかまれば?
落ちるぞ?」
「あ、…うん」
腰に手を回してみる。
うぅ、近いなぁ…
緊張通り越して、自転車ごときに酔いそうだよ…
ケンタの背中を見上げて、ボソッと声が出た。
「ケンタ…おっきくなっちゃったね…」
「は?なんだよ、それ」
「ケンタ、初めて会った時は、小さかったよ。
私と変わらないくらい!
かわいかったのにさ…」
「うるせーし。
男がかわいくてどうすんだよ」
昔のケンタは、すごくかわいかったんだ。