男 友 達
振り返ると、仁王立ちしてるユカと…タクミ。
「この馬鹿ケンタ!
どういうつもりよ!」
あぁ、面倒な奴に見つかった…。俺、本当にユカは苦手なんだよ…。
最悪だ。
「あれ?“彼女“は?」
タクミが嫌みっぽく強調して言った。
加奈と付き合ってないって知ってるくせに。
俺はタクミを睨んだ。
「加奈は用事あるって、先に帰ったんだよ」
…兄貴と待ち合わせしてるから先に行きました、とは言えねぇからな。
「ねぇ、ケンタ、ホントにあの先輩と付き合ってんの?」
ユカは顔をしかめて聞く。
さすが、口の固いタクミ。ユカには黙っていてくれてるようだ。
「…アオの事好きだと思ってたのに」