男 友 達


6月になった。

未だにアイツに好きだと言えないでいる俺。


「何やってんだろうな…」

俺は呟いた。

放課後の教室で一人、ぼんやりと夕日を眺めた。

自分がこんなに女々しいなんてな。

俺はアイツと付き合いたいと思う一方で、

今の友達という居心地のいい場所を失うかも知れない事を、

怖がってるだけかも知れない。


その時、

教室のドアが開く音がした。


「……ケンタ?」


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