男 友 達
私は、二人を見つめたまま、動けなかった。
女の子はケンタと離れて、何か話してる様子だった。
雨の音がうるさくて、
何も聞こえない。
女の子は、彼の頭を軽く撫でて、手を引いて、
ケンタの家に二人で、
入って行った。
傘が 落ちる。
持っていられなかった。
そこにどれぐらいの間いたのか分からない。
気付いたら、重い足を引きずって歩いてた。
傘は、置いて来てしまったみたい。
傘をささずに、土砂降りになった雨の中を歩いてた。
「……ッく…」
涙が溢れた。
やっと、気付いた。
私、ケンタが、
好きなんだ…――