「ひかる。おいで」


先生と喋っていた紗知が手招きしている。教卓には何やらお菓子が乗っている。


「早く来ねーと無くなるぞ」


先生も早く来いと言うから、席を立ち、お菓子のもとへ行く。


『誰の?』

「俺の。」


いけしゃあしゃあと言いますねぇ。左海先生も個性的だったが、竜王先生もかなり個性的だ。


『先生、甘いもの好きなんですか?』


お菓子の半分がチョコや飴玉だったから、無意識に質問していた。


「まぁ、好きな部類だな」


へえー。と呟けば、先生が怪訝そうな顔をする。


「男が甘いの好きなのが、珍しいか?」

『そうですねー。でも、いいんじゃないですか?好きなものは好きで。』


男だから、女だから、なんてワケの分からん定義なんか、つくる必要がないだろう。


『それでは、遠慮なくいただきます。』

「・・・・ああ、どうぞ」


まずチョコを1つ貰い、口に含む。甘い。


「ねぇ、さっきは滝本くんと何話してたの?」


あかりが目を輝かせながら、詰め寄ってきた。あたしは、次のお菓子に手を出す。


『えーと、・・・・恋バナ?』


恋バナと呼べるのか不明だが、滝本くんが恋してるっぽいので、勝手に決めた。


「なんで疑問系?ま、いいや。それで?」


歩も聞きたいらしく、教卓の前の席に座って、先を促した。





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