光
入学式&始業式の朝
4月10日。
午前6時35分。
鳥の囀りが聞こえ、窓からは陽射しが差し込んでくる。
『んー・・・』
すーすーと気持ち良さそうに寝入っている少女、もとい加納ひかる。
と、そこに、部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。
「姉さん?まだ寝てるの?
もう朝だよ。」
コンコンと何度もノックし優しく声を掛けてくれているのに、ひかるは未だ夢の中。
ドアの外の海は・・・
「チッ。バカ姉貴が。いい加減1人で起きろってんだ」
静かにキレていらっしゃいました。
そして遂に、勢い良く扉を開け、ベッドに近づくと、掛け布団を取り上げた。
「オイッ!起きろっ!何時だと思ってんだ!!」
そう怒鳴りながら、ひかるの肩を掴み、グラグラと揺らす。
『ちょ、ちょっと!なんて、最悪な目覚め!!もう少し優しく起こしてよ!』
「やかましい!!優しく起こしたって起きねーだろうが!!」
『だからって、怒鳴ることないじゃない!!』
耳が痛い。
ついでに言うと、首と肩も痛い。
「じゃあ、今度から、叩き起こしてあげようか?」
『遠慮します。』
朝っぱらから姉弟喧嘩。
毎朝恒例なので、違和感ゼロ。