「おはよう、ひかる。」


ご飯や味噌汁を運ぶお母さん。エプロン姿が決まってる。


「ひかる、海に挨拶したの?」

『・・・あ、』


言われて気づいたあたしは、やっぱりバカ?

ちらりと海を見ると、我関せずとでも言うように、黙々とご飯を食べている。


『えっと、おはよう、海。』


パクパク。
もぐもぐ。
・・・ごくん。


「・・・おはよう」


うっわ。目が今更かよって言ってる。しかも、微妙に馬鹿にされてる。


(くっそ〜!
本当に腹立つわぁー!)


内心では、握り拳をギリギリと震わせ、怒りを抑えている。


「そーいやさ、」

『何?』


ついつい、不機嫌な声色になったけど、海は別段、気にしていないようだった。


「姉さんの担任、今日から変わるんでしょ?左海先生が結婚退職したから。」

『うん。どんな先生なんだろうって、めっちゃ楽しみなんだ!!』


新しい先生のことを考えると、さっきまでの怒りが消え、ニコニコと笑顔になる。


(・・・単純)


海がそう思ってることも知らずに。


『希望を言えば、女の先生がいいなぁ。男の先生はなんか苦手。』

「つか、若い先生なら、男でも問題ないだろ。」

『えー!』





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