ピアスホールと君の傷
「いいよー。」
と言って、あたしは綾香にOKサインをだした。

「失礼しまーす。」
あたしと綾香はそう言って指導室のドアを開けた。そこにはもちろん高橋がいた。
「なんで沢村もいるんだ?」
「寂しいからついてきてもらったー。駄目ですか?」
とあたしは高橋を睨む。
「別にかまわん。」
高橋が椅子に座れと言ったので、あたしと綾香は椅子に座って足を組んだ。
「てか、何の用事ですかー。」
「野村、今も夜遊びしてんのか?」
「は?」
「いや、野村に似た人が夜中のコンビニでたむろしてたと聞いたもんでね。」
「今はもうそんなことしてねーよ。それに、あたしみたいのなんてたくさんいんだろ。」
「でも、昨日も学校休んだじゃないか。野村、お前は今年受験生なんだぞ。そんなんでいいのか?」
その言葉にあたしは切れた。
「朝からうっせーんだよ。昨日はずっと家にいたんだよ。てか、てめーにお前って呼ばれる筋合いねーし。」
とあたしは叫んだ。
「教師に向かってその口の聞き方はなんだ!」
と高橋は立ち上がった。
「知るかよ!あー、まじ気分悪い。帰るわ。」
と指導室をでようとしたあたしの腕を高橋が掴んだ。
「は?さわんなよ。きめー。」
とあたしは高橋のアレを思いきり蹴って綾香をつれて指導室をでた。
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