夕日に落ちる星
まあ何ていうか乾電池が悪いんですよ。

乾電池が。


特に単三電池。


切れるの早いっていうか、

百円均一の単三電池二十本入り

の耐久力の無さはとんでもないね。

脱帽ですよ。


まだ私の体力のほうが長持ちするかもね。


何の話だっけ?


ああ、そうだそうだ、つまりね、

今私がセミの鳴き声と

夏のうだるような朝日を背に

必死に走っているのは、

目覚まし時計が職務放棄していたから

なんです。


家に誰かいないのかって?


いや、一人暮らしではないので、

ちゃんとキャラクターは

揃っていますよ。

お父さんとお母さんと妹が

いるんだけど、

お父さんは私が起きる前にお仕事へ、

妹も同じぐらいに部活の朝連へ、

行くわけですね。


お母さんは寝ています。


お昼の十二時になったら

起動されます。

朝は苦手なんだって。

私はお母さんに似てしまったんだな。


そんな下らないことを考えながら

私は学校に向けて全速力で走った

私はだいたい三十分ぐらいかかる

妹は歩いて十分でいけるらしいけど

妹が凄いんだ
妹が凄いんだ
妹が凄いんだ
妹が……

遠くでチャイムの鳴る音が聞こえた

今日も快晴です
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