イヴ
オレは心にぽっかり穴が空いたような、そんな気分だった。




次の日も、その次の日もオレは公園に通った。




だがアイツは姿を見せなかった。




オレは自分を憎んだ。が、相変わらずタバコはやめられず、ストレスが溜まり、また飲み屋に通うようになった。




こんなオレを見たらアイツどう思うだろうな。




そんなことを考えながらフラフラと自宅へ帰る途中のことだった。




不意に後ろから猫の鳴き声がした。





アイツだ!





そう思って振り返るが、何もいない。




気のせいか…そう思いながら特に気にせず自宅へと帰った。




今思えば、アイツの声を聞いたのはアレが最後だった。




きっとあの時アイツはいたんだ。




自分の死期が近づいてるのを薄々感じとり、最後のお別れをしにきたのかもしれない。
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