イヴ
「アイツは死んだんだ!!」





部屋にオレの声がこだまする。





―そのとおりです、私は死にました





「アイツが死んでから、オレはずっとそのことで苦しみ続けてる。だから、いつかは忘れなくちゃいけない、ちゃんとした別れをしなきゃいけないと思ってるんだ。」





オレは流れる涙を拭いながら続けた。





「さよならだイヴ、いや、アイツ。」





―わかりました、ここから出してさしあげます





「ごめんな、オレは変わらなくちゃいけない。今のままじゃダメなんだ。」





―さぁ、そのタバコを吸って私と本当の意味で決別しましょう





「知ってたのか、まぁオレの心の中はアイツに筒抜けだもんな。」





オレはゆっくりとテーブルの上のタバコに手を伸ばした。
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