キャラメル味の生活

その言葉と同時に
風さんの頬に
きれいな雫が伝う。



「風さん...」

「ほら、こんなとこに
いちゃダメだ。

君には僕じゃなくて
もっといい人が
いるんでしょう」



色々言うのもきっと
風さんに失礼。


あたしは黙って
背を向けた。



でもこれだけは
言っとかないと。



「風さんッ!
さっきの訂正して下さい!

あたし風さんの
優しいところ

大好きでしたから!」



多分あたしの顔
涙でぐしょぐしょ
だったと思う。



そしてそのまま
振り返らずに走った。



風さん...

ありがとう。
< 119 / 232 >

この作品をシェア

pagetop