キャラメル味の生活
その言葉と同時に
風さんの頬に
きれいな雫が伝う。
「風さん...」
「ほら、こんなとこに
いちゃダメだ。
君には僕じゃなくて
もっといい人が
いるんでしょう」
色々言うのもきっと
風さんに失礼。
あたしは黙って
背を向けた。
でもこれだけは
言っとかないと。
「風さんッ!
さっきの訂正して下さい!
あたし風さんの
優しいところ
大好きでしたから!」
多分あたしの顔
涙でぐしょぐしょ
だったと思う。
そしてそのまま
振り返らずに走った。
風さん...
ありがとう。