芽生える思い
「うぅん、何もないよ。」
「そっか、何かあったら言って♪」
話しているうち、すぐ科学室に着いた。
「歩くのおせぇ…」
ードクンッ…
私たちの頭の上からいきなり声がした。
それと同時に動揺ー…
ふと振り返ると…
やっぱりこの声の持ち主は…
栄太だった…。
あの時、確かに教室に居たはずなのに…
こんなに男は歩くのが早いのか?
と、考えているといきなり頭をコツンッと叩かれた。
「おい、教室入れよ。入り口で突っ立ってねぇでよ。」
って捨て台詞かのように吐き捨て教室に入っていった。
さっきまで横に居た優は私が気づかないうちに、教室に入って席についていた。
あれ…?いつの間に!?
私は優の元まで走って、コツンッと頭を叩く。