芽生える思い
「まゆぅ、私に隠し事?」
トロンとした目で見てきた優。
ちょっとキュンとしてしまった自分に心の中で突っ込みを入れる。
「ねぇー…さっきの考え事聞かせてくれないの…?」
うぅう…こういうのが母性本能をくすぐるんだ。
「何考えてたっけ?忘れたー!ははっ」
「も~いじわるっ!」
ちょっと泣き真似をする優。
はいはい、と言ってなだめる私。
「優のこと考えてたの。」
間違ってはいない。
本当のことだし。
「えっ!?本当っ!?嬉しー!」
急に明るく嬉しそうにする優が、いとおしく思う。
だから、ぎゅーってしちゃうんだ。
「ん…?まゆぅ?」
「あっ!ごめんっ優のこと好きすぎたー!はは」
完璧男だよーこれ。
「私も真由、大好きー!」
レズかよっ!
ちょっと突っ込んでみる。
「優…そろそろ離れよっか?」
忘れてた。
ここは、教室。
クラスメイト全員居るのに、私たちそんなことも忘れてイチャついていたのか。
ははっ、
「えー離れたくない!」
「優、わがまま言わないの!」
「んもっー!真由のばかぁ!」
優は少し寂しい表情を見せながら渋々離れてくれた。