芽生える思い
「お~い、高村ぁ!」
「…は?」
私はわざと冷たく返事する。
「お前さぁ、山木とイチャつくのはいーけど恋愛に興味ねぇーの?」
こいつは、工藤栄太。
この学校ではまぁまぁモテる方かな。
みんなはかっこい~って言うけど、私はそこまでない。
だって幼なじみだし。
しかも絶対調子乗ってる。
いつか痛い目にあわせてやる!って思うけど、
みんながやめろって言うからなかなか出来ないんだよね…
「なに?そんなに彼氏を作ってほしーのか!?」
舌を突き出しながら答えた。
「なら、俺にするか?」
口元を緩めながら言ってきた。
「お前、彼女居るでしょ!」
私は半分まじめにキレながら栄太の背中を叩く。
「ってぇーな!お前、すぐ手出すから彼氏出来ねぇーんだよ!」
「うるさいなぁー!余計なお世話だしっ!」
と言いながらまた背中を叩く。
そう…私の悪い癖はすぐ叩くこと。
冗談で叩くことが多いから、そんなに力は入れてないつもりなのに、
これが結構痛いみたいで…。(笑)