芽生える思い
「俺は親切に言ってやってんのに、何だよ、その態度。」
口を少しとんがらせ、頬を膨らませながら栄太は言った。
「うっさい!」
私は栄太の頬に人差し指で軽く突付く。
あー…
視線が痛い…。
栄太好きの奴ら…
いわゆるファンって奴だ。
教室の外から私をにらみつけていた。
栄太と仲が良いからかな。
私は、そんなの気にしないから別にいいけど。
「…ぅ?まーゆ?おーい、聞いてんのかぁ?」
「あ…ごめん。」
「どしたぁ?」
私の顔を覗き込みながら言ってきた。
栄太…そーいうことするから、視線飛んでくるんだけど~…
なんていうことが出来るわけもなく…。
「どーもしてないよ!優、行こう!」
違うグループの子と絡んでる優に声をかけた。
「うんっ!」
笑顔の優を連れ、
栄太にひらひらと手を振って教室を出た。