芽生える思い

「真由、栄太と何話してたのー？」


興味津々な優をちょっとほったらかしながらズカズカと歩いていく。




何か苛々するんだよね…


何に苛々してんのかな？




「ねぇー！真由っ！聞いてるのぉ？」


「あっ！ごめんごめん、聞いてるよ！」


私は優の頭をポンポンッと叩く。



「最近ぼーっとしてる回数増えたね。何か悩み？」



眉毛が少し下がり困った顔になった優。




お…っと…あたし、そんなぼーっとしてること多いのかな。




「ごめんね、優。何もないけど…大丈夫だよ！」


私は心配かけないように精一杯の笑顔で答えた。




…つもりだったのに…。


「真由、それで笑ってるつもり？」



急に真剣な眼差しで優が言ってきた。


「え？」



いきなりのことで私は驚いた。


優がこんなに言ってきたのは、初めてだったから…。




「真由、私、無駄に真由の友達やってないよ？辛いときは一緒に悩みたいし、楽しいときは一緒に盛り上がりたいし。真由は、私のこと友達って思ってる？」


「どーしたの急に…？」



私たちの周りに流れる空気は一気に重くなった。