芽生える思い
「真由、次移動教室じゃんっ!教科書取り行かなきゃ!」
「えっ!?あっ!本当だっ!」
私と優は教室までダッシュする。
「はぁはぁ…」
息を上げながら私たちは机に向かう。
「おー高村ぁ。」
「ーなに?」
また栄太が絡んできた。
めんどくさっ…
ってか、あたし幼なじみのくせに嫌いなんだよなぁ…。
「移動教室どこだっけー?俺、未だに慣れねー…」
さっきまで寝てたのか、くーっと背伸びしながら言ってきた。
「も~理科だよ!理科っ!」
私は教科書と筆箱を抱きかかえ、優を呼びに行こうと方向転換した瞬間ー…
ーググッ…
急に誰かから手首を掴まれた。
誰か…?
後ろには栄太しか居ないよね…
「…ちょ…なに?」
私は栄太の顔を少し見て、手首に視線を落とした。