芽生える思い
「ん?あ、わりぃ…」
栄太がゆっくり手首を話す。
私は、栄太の顔を見ることが出来なかった…。
…何意識してんの、あたし。
幼なじみじゃん。
いつも背中叩いたりするくせに…
なに…?
あたし、意味わかんない。
「まゆぅうー!いこぉおー!」
教室の入り口から優が叫ぶ。
「あっ!うんっ!」
私は手首に掴まれた感触を残したまま、教室を後にする。
怖かった…
振り向いたら栄太の表情が見えてしまうから…
私は、何を考えてんの…?
「ー…っ?まゆ?」
ツンツンッと肩を優が突いてきた。
「…お、ごめん。」
「どーしたの?何かあった?」
優が心配そうな表情で私の顔を覗き込んできた。