Thanks
(雛姫side)
旅館に入って荷物を渡すと代わりに部屋のキーを渡された。

301、302、303…

『よかったね! 隣で!』

そんな事を話しながら部屋へいくと部屋の扉に名札が貼ってあった。

『何で俺が紗奈と同じ部屋なんだよ!』

名札を見た新はそう言って扉を叩く。

『だってお前は紗奈と招待券使ってんだろ?』

それに応える雅。

『雅が紗奈となるのが自然だろうが!』

部屋割りは申し込んだペアでの部屋。

つまり私と真由。
雅と功ちゃん。
新と紗奈。

『1番自然なのは…』

新の言い分は、紗奈と雅。
真由と功ちゃん。
私は新だと言う。

『ってか、俺は新と雅くんが一緒でいいと思う…』

呆れ顔で言う功ちゃんに、新以外の人間が頷いたというのは言うまでもない。




『結構広いんだね〜!』

私は荷物を置きながらそう言う。

『だね。』

そう応えたのは紗奈。

結局、部屋割りは私と紗奈。
功ちゃんと真由。
新と雅。

安心な部屋割りだ。

『雛姫先輩、家族で1部屋にすればよかったのに…』
『だって新がうるさいし。』
『新って弟にまでヤキモチやいちゃうの?!』

紗奈は驚いて目を丸くする。

『だって血は繋がってないから。』
『……は?!』

どうやら紗奈は知らなかったらしく、新のヤキモチよりも驚いていた。

(って事はあんな美少年と1つ屋根の下に…)

『つくづくムカツク奴だわ、あんた…』
『意味わかんないんだけど…』

まぁ、それはともかく皆で観光へ。
旅館の前は広大な海。

私達は4人を海に誘うため、部屋を出た。
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