Thanks
(雛姫side)
新と雅の部屋では予想通りの光景が…

『あんた達は絶対に浴衣着てると思った…』

まだ真っ昼間というのに2人は旅館の浴衣を身につけていた。

それにしても…

『やっぱ雅に浴衣は似合わないと今、気付いた。』

ハーフに浴衣はイマイチだな。
観光に来た外国人さんみたいだ。

『ほっとけ。 自分でも気付いたわ。』

そう思っていた私の頭にチョップする雅。

それに引きかえ新はやっぱ似合うなぁ。
背も高いし、和風な顔だし…

『…やっぱ地味顔だけに似合うね。』

紗奈も同じ事を思ったのか、そう言って新を褒める(?)。

『あぁ?! 誰が地味顔だ!』
『新。』
『やっぱ俺かい!!』

新は紗奈を羽交い締めにして床に投げた。

この3人が同じクラスなんて担任は大変だろうな…
そう思った私だった。


しばらくして2人の戦いは収まって、4人で真由達を呼びにいく。

真由達の部屋では同じ顔の2人がトランプをしていた。

しかも2人ババヌキ。
絶対につまらんだろうに…

『海行こう! 海!』

私の言葉に2人は楽しそうに部屋から出てきた。

そんな真由と功ちゃんを見ていると、懐かしく思う。

小さい頃はよく連れていってもらったなぁ…
海…
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