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(雛姫side)
ザァー…と波の音だけが響く海。
に、うるさい6人がやってきた。

『雅くん! 今は何月だ?!』
『8月です、新隊長!』
『うっしゃー! 泳ぐぜ〜!』

はい、今は11月です。
めっちゃ肌寒いです。

それなのに2人は「夏だ夏だ」と海に入っていった。

あーゆうのを馬鹿って言うんだよね…

『風邪ひいても知らないからねー!』
『大丈夫! 夏だから!』
『…』

私の声がけにも新は応じず、冷たい海に入っていった。

まぁ、いっか。
馬鹿は風邪ひかないって言うし。

なんて思いながら振り向くと真由と功ちゃんが砂山を作っていた。

その光景が昔と変わらなくて少し嬉しい。

『雛姫ッ 早くおいで!』

雅は手を振って私を呼ぶ。

『ヤダよー、寒いし!』
『暖かいってば!』
『絶対に嘘だし…』

疑いつつも手を入れるととっても冷たかった。

『ちょッ 新?!』

と、横から声がして目をやると新が紗奈を抱えて海に入る所だった。

まさか…

私の予感は見事に的中。
紗奈は結構深い所で投げられた。

『ッ最っ低! 心臓止まったらどーすんの?!』

怒鳴る紗奈にケラケラ笑う新。

結構、お似合いかも…

それを見ながら笑っていると後ろから誰かに抱き抱えられた。

『みッ 雅?!』

雅は意地悪に笑ってる。
何だか嫌な予感…

『もう1人追加でーす!』

新と紗奈に手を振りながら水に入っていく。

か、勘弁してよ〜!!

《バッシャーン!》
『ぎゃ〜ッ!!』

体が凍ってしまいそうなほど冷たい海に私の体は投げられてしまった。

『馬鹿雅!! 信じらんない!』

怒って睨むと雅はお腹を抱えて笑っていた。

『…ガキなんだから…』

それを見たら怒れなくなってしまう。

『いーなぁ、お姉ちゃん達!』

遠くで山を作っていた真由がようやくコチラに気付く。

『俺が投げてやろうか?』
『お兄ちゃんが? やってほし〜!』

真由と功ちゃんの会話に私達4人は呆れて溜め息をついた。
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