Thanks
時刻は10時…
そろそろ消灯時間。

『(紗)んじゃ明日、起こしてねー。』

紗奈はそれだけ言うと布団に潜ってしまった。

私、枕変わると寝れないんだよね…

紗奈が寝てから30分。
どうしても寝付けない…

『(雛)…海でも見てこようかな…』

雛姫は上着を着て部屋を出た。




こちらは功ちゃん&真由のお部屋。

『(真)お兄ちゃんはお姉ちゃんのどこが好きなの~?』

恋話で大盛り上がり。

『(功)わかんねーよ… 最初から姉だと思えなかったし…』
『(真)そーなんだぁ! じゃあ3歳から?』
『(功)いや… 気付いたのはヒナが中学入ったぐらい…』

功ちゃんははにかんだように笑う。

『お兄ちゃん可愛い~!』
真由はそれを見逃さなかった。

…可愛いって妹に言われても…

『(功)…真由は新のどこがいいの?』
『(真)ん~… 全部っ♪』

真由の返答に呆れて溜め息をついた功ちゃんだった…

『(真)1番は、努力する所だよ?』

自分が言われたわけでもないのに照れ臭い…

『(功)…もうおしまい! 寝るよ!』

功ちゃん照れ隠しに布団にもぐった。





『(雅)寝れない…』

初めて目がギンギンって言葉の意味がわかる。

明日、どうやって雛姫に接したら…ってそればかり考えてしまう。

ふと隣を見ると気持ち良さそうに眠る新が…

何となくムカついて鼻をつまんでみた。

『…………』

いつまでも息をする気配もなく、恐くなった。
新を殺すなんてかなり簡単かも知れない…

ってそんな事より俺は眠りたいんだよ!!

『…ちょっと運動でもしてこよ…』

とりあえず体を疲れさせるため、静かに部屋を出た。
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