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次の日、学校に着いた俺は1番に「里山ハル」の下駄箱を探した。
何だかとてつもなく気になったからだ。
『何やってんの?』
と、後ろから声を掛けられ振り向くと、同じクラスの女が嫌な物を見るような目をして立っていた。
『……里山ってどんな奴?』
やべ、気まずい。
俺、絶対怪しいよ。
『ハル? のんびり屋で人懐っこいよね。 いい奴だよ』
昨日の様子だと「のんびり」って感じではないと思ったけど。
『誰にでも平等だし、嘘ついたり文句言ったりしないから結構、人気あるんじゃないかなぁ?』
俺は正直、ハルみたいな人間は苦手だ。
「偽善者」「八方美人」
素直で平等な人間なんていない。
奈々だって結局は偽りだらけだった。
『どーゆう事!?』
廊下を歩いていると、何処からともなく女の怒鳴り声が……
『それは俺の台詞』
……この声、里山ハル?
そっと近づいてみると、やはりハルが女と話していた。
『じゃあ別れるの?』
女はハルの胸倉につかみ掛かる。
『別れるってか、俺達の関係は成立してないよね』
話しはしばらく続き、最後には彼女が泣きながら去っていった。
それと同時、
『連城く〜ん!』
ハルが満面の笑みでこちらを向いた。
ち、バレてたか。
『悪い、つい』
『別に聞かれて困るもんじゃないって』
ニコニコ笑うハルに俺はつい苦笑してしまう。
普通なら聞かれたくないはずなんだけどなぁ…
変な奴。
『彼女、放っといていいの?』
『昨日の男のとこ行ったんじゃん?』
『え?』
『二股されてたみたい、俺。 知ったからには向こうに返さなくちゃ』
俺はあっけらかんとして言うハルにまた驚いて言葉を失ってしまった。
『嘘って嫌いなんだよね。 つくのもつかれるのも』
【誰にでも平等だし嘘ついたりしない】
八方美人で偽善者の里山ハルは、もしかしたらただの「素直すぎる馬鹿」かも知れない。
『俺は正直ぶった奴、嫌い』
あの時の俺が唯一、信じられたのは奈々だけだった。
その奈々に裏切られ、家を出た。
『でも……本当に正直な奴は嫌いじゃないよ』
本当に偽りなく嘘もなく、素のままで接してくれるなら嫌いじゃない。
何だかとてつもなく気になったからだ。
『何やってんの?』
と、後ろから声を掛けられ振り向くと、同じクラスの女が嫌な物を見るような目をして立っていた。
『……里山ってどんな奴?』
やべ、気まずい。
俺、絶対怪しいよ。
『ハル? のんびり屋で人懐っこいよね。 いい奴だよ』
昨日の様子だと「のんびり」って感じではないと思ったけど。
『誰にでも平等だし、嘘ついたり文句言ったりしないから結構、人気あるんじゃないかなぁ?』
俺は正直、ハルみたいな人間は苦手だ。
「偽善者」「八方美人」
素直で平等な人間なんていない。
奈々だって結局は偽りだらけだった。
『どーゆう事!?』
廊下を歩いていると、何処からともなく女の怒鳴り声が……
『それは俺の台詞』
……この声、里山ハル?
そっと近づいてみると、やはりハルが女と話していた。
『じゃあ別れるの?』
女はハルの胸倉につかみ掛かる。
『別れるってか、俺達の関係は成立してないよね』
話しはしばらく続き、最後には彼女が泣きながら去っていった。
それと同時、
『連城く〜ん!』
ハルが満面の笑みでこちらを向いた。
ち、バレてたか。
『悪い、つい』
『別に聞かれて困るもんじゃないって』
ニコニコ笑うハルに俺はつい苦笑してしまう。
普通なら聞かれたくないはずなんだけどなぁ…
変な奴。
『彼女、放っといていいの?』
『昨日の男のとこ行ったんじゃん?』
『え?』
『二股されてたみたい、俺。 知ったからには向こうに返さなくちゃ』
俺はあっけらかんとして言うハルにまた驚いて言葉を失ってしまった。
『嘘って嫌いなんだよね。 つくのもつかれるのも』
【誰にでも平等だし嘘ついたりしない】
八方美人で偽善者の里山ハルは、もしかしたらただの「素直すぎる馬鹿」かも知れない。
『俺は正直ぶった奴、嫌い』
あの時の俺が唯一、信じられたのは奈々だけだった。
その奈々に裏切られ、家を出た。
『でも……本当に正直な奴は嫌いじゃないよ』
本当に偽りなく嘘もなく、素のままで接してくれるなら嫌いじゃない。