Thanks

(洋side)
『洋ｯ！』

ルミを残し、昇降口に来た俺を誰かが呼び止める。
振り向いてみると、そこには息を切らした和之が…

『よくわかんねーけど… さっきは怒らせて…あの』

涙を浮かべて必死に謝ろうとする和之を見て、やっとわけがわかったんだ。

こいつは上辺だけで人と付き合わない。

だって…

『不器用な奴。』
『うるせー、洋。』

こんなに不器用なんだもん。

だから俺も、和之に本音で向かえた。
騙せないと思った。

だから、心ん中で思っとくよ。
ルミの事…ごめんな？