Thanks
叙情…
感情を述べ表す事。

そんな生き方が1番得意だった。

素直に包み隠さず…
それが俺、佳晴の生き方だった。


『詩ー織ちゃんっ♪ 今、空いてるかな?』
『…ハルくん…』

だからね。
俺は我慢しない。

『空いてるなら指名したいんやけど… 駄目かな?』
『…受付けを通ってください。』

詩織はそれだけ言うと店の奥に入っていく。

【俺と一緒に…】
あれで大分、好感度を下げてしまったらしい。
詩織の態度は最初に戻ってしまった。


『すいませーん、詩織って子を指名なんですけど…』

俺は言われるままに受付けへと向かう。
すると部屋を指定され、待つよう伝えられた。

そういえば俺、風俗初体験…
入れる年齢でもないしね…

見慣れない部屋に見慣れない道具。
全てがそのような行為の為に用意されたようだった。

『失礼しますー。』

しばらくして部屋に入ってきたのは詩織に少し似たタイプの女の子…

『詩織ちゃんがまだ空いてないんでー、それまで一緒にいていいですかぁ?』

女の子はそう言ってベッドに座る。

きっとお店のやり方なんだろう。
お客さんを繋ぎ止めるための…

俺達、ホストと一緒…

『ここは本場無しって聞いてます? それ以外は基本的にokなんでー…』

機会的に説明を始める女…

もう女とも人間とも思えない。
ただ金と快楽を求める生物…
俺の母親と…一緒…

『悪いけど、すぐに詩織を呼んでくれるかな…?』
『え…?』
『詩織が来るなら金はいくらでも払うから。』

俺はそんなの御免だね。
俺は「人間」でいたい…
< 67 / 94 >

この作品をシェア

pagetop