ラッキー☆ルーレット
「いい、けど」

「じゃ!決まりね!」


神様、俺は淡い期待を抱いてもいいのでしょうか?


ミクの方を見ると彼女は完全にお眠りモードに突入していた。
流石は『猫』だけのことはある。そーいや、さっきも眠そうだったもんな。

俺が雪乃に『一緒に帰ろう』って誘われたことすらも分かってないんだろうな~きっと。
スヤスヤと眠る彼女の寝顔を暫くの間、俺は見つめていた。

不幸者の俺にも少しは運が巡ってきたのか?
これも……ミクおかげなのかな。





「未来~!一緒に帰ろっ!」

やっぱり何も分かってなかったか……。
まぁ、俺の予想通りであるが。

「悪いが今日はお前と帰れないんだ。一人で帰ってくれ」
きっぱりと断った。
別に悪気はないのだが、あいまいに返事をするのは雪乃にもミクにも悪いと思ったから。

「そんなぁ~何かあるの?」

「何か……ってほどじゃないけど、さ」

「?」

「蔵重君、帰りましょう」

「そういうわけ……なんだ」

「……そっか、それなら仕方ないよね」

「ミク……」

彼女は俯いたまま俺から少しずつ離れて行く。

後で家に帰ったらまた謝ればいいか……ってこの時は思っていた。
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