ラッキー☆ルーレット
「今日もギリギリセーフ!」
最後の鐘の音と同時に滑り込みセーフを果たしてみせた。
「ぬかせ!」
今日は特に息切れしているのが自分でも分かった。
ミクはそんな俺の苦労も知らず涼しい顔で着席している。
それがまた無性に腹が立つ。
「おはよう」
「お、おはよう」
友達……か。
昨日の記憶が再び頭の中でリピートする。
「蔵重君、大丈夫?びしょ濡れよ!!」
「誰さんのせいでな、傘を差さずに全速力で走るハメになったもんで」
「?」
「あっ、いや。気にしないでくれ」
「よかったら……どうぞ。何枚か持っているから貸してあげる」
「ありがと」
彼女がスポーツバックから取り出したのは、薄いピンク色のタオルだった。
きっと部活で汗を拭うために使うものだろう。
すごくいい香りがする……、雪乃の匂いだ。
☆
「未来……ごめんね」
朝のHRと一時間目の間の短い休み時間。
ミクの方から謝ってきた。
それだけ反省しているってことなのか……?
だが、
「俺は今回、猛烈に頭にきている。いいか、今日こそ全て話してもらうからな、覚悟しておけよ」
「はい」
易々と許すわけにはいかないのだ。
お前の素性も含めて俺には聞く権利がある。
全ての事の『理由』をな――。
最後の鐘の音と同時に滑り込みセーフを果たしてみせた。
「ぬかせ!」
今日は特に息切れしているのが自分でも分かった。
ミクはそんな俺の苦労も知らず涼しい顔で着席している。
それがまた無性に腹が立つ。
「おはよう」
「お、おはよう」
友達……か。
昨日の記憶が再び頭の中でリピートする。
「蔵重君、大丈夫?びしょ濡れよ!!」
「誰さんのせいでな、傘を差さずに全速力で走るハメになったもんで」
「?」
「あっ、いや。気にしないでくれ」
「よかったら……どうぞ。何枚か持っているから貸してあげる」
「ありがと」
彼女がスポーツバックから取り出したのは、薄いピンク色のタオルだった。
きっと部活で汗を拭うために使うものだろう。
すごくいい香りがする……、雪乃の匂いだ。
☆
「未来……ごめんね」
朝のHRと一時間目の間の短い休み時間。
ミクの方から謝ってきた。
それだけ反省しているってことなのか……?
だが、
「俺は今回、猛烈に頭にきている。いいか、今日こそ全て話してもらうからな、覚悟しておけよ」
「はい」
易々と許すわけにはいかないのだ。
お前の素性も含めて俺には聞く権利がある。
全ての事の『理由』をな――。