ラッキー☆ルーレット
「だから、さっき起こしてあげたのに」
ミクは俺の机の上にちょこんと座りこっちを見ている。

「……ごめん!俺が悪かった!!神様、ミク様、仏様!どうかお力を貸して下さい!お願いします!」
土下座してる姿が恰好悪いなんて言ってられない。

「ったく……調子いいんだから。でもまぁ、私が未来の力になってあげるのは約束だから」
仕方ないわねと言うように、軽くため息をつくと、彼女はルーレットを呼び出し呪文を唱えた。


『我がルーレットよ……。

時を超え

今ここに選ばれし者

いざ!参らむ!!』


なんだ……この光は~っ!!
あまりの眩しさに目をつむっている間の出来事だった。

再び目を開ける……、

ゆっくりと。


「着いたよ」

「?」

「一時間前の未来の部屋」

……本当に?
タイムスリップしたのか?

そうだ!時計!!

壁に掛かっているそれは午前九時を指していた。

「……ミク、お前はやっぱすげーよ」

「エヘヘ」

彼女は照れ笑いをしてみせた。その瞬間を間近で見たのは今回が初めて……。いつもは気付くとタイムスリップしてたから。

そう、俺たちは今……『過去』の世界に居る。

実感ねぇけどな。
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