ラッキー☆ルーレット
「さてと!そろそろ行かねぇと」

「……」

ミクの視線を感じて俺は彼女が何が言いたいのか悟った。

「一緒に行くか……?」

「でも……私が居たら邪魔になるよ」

「邪魔にはならねぇよ。お前と一緒に居ることは俺が望んでいることでもあるから……な」

「……未来」

「ゼロなんだろ?俺は。それに――今日は他にもよくないことが起きそうでさ、なんとなくだけど」

「そっか、そっか。それじゃあ、仕方ないな」

ミクはパーカーのフードの中に収まる。
たまたまだったのに、フードが役に立ったみたいだ。

「よし、行くぞ」

「うん!」

随分長い時間、ここに留まっていた気がしていたんだが。
時計上では一時間経ってないんだもんな。


「行ってきます~!!」


相変わらず、いい天気だ。

真っ青で雲一つない空!!
今日は絶好の『映画日和』……、

のハズ。

何も起こらなければ――の話だけど……な。
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