ラッキー☆ルーレット
「楽しかったぁ~!今日は付き合ってくれてありがとう!」

「これくらいは……な。『友達』なら当然だろ」
こんなつまらない反応しかできない自分がもどかしい。

「『友達』……か。そうだったわね。ふふふ」
彼女は小さく笑った。

「まぁ……俺は俺で地道に行くさ!!千里の道も一歩からってな」

「蔵重君、あのね」

「?」

「……私じゃダメかな」

「えっ?」

「蔵重君のことが好きなの」

「……雪乃。だって、この間は友達になってくれって」

動揺していたと言えばそうなのかもしれない。
もう頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。

「それは……いきなり付き合って下さいってのも抵抗あるかなって思ったから」

「そ、そりゃあ、まぁ……そうだけど」

どうしてなんだ、俺も雪乃のこと好きなのに。
何を迷っているんだ!


「ニャン……」


「猫?」

「あ、いや、その……気のせいだよ」

……ミク。

「蔵重君?」

「少し、考えさせてくれないかな。必ず返事するから」

「……分かったわ」

今、思えばなんであんなことを言ってしまったのか、自分でもよく理解できていなかった。
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