ラッキー☆ルーレット
「あの――どうして俺の名前を……」

「名前だけじゃないわよ。藤見高等学校一年A組、部活はどこにも所属していない。所謂、『帰宅部』ってやつね。そして同じクラスの雪乃まどか(ゆきのまどか)に恋心を抱きつつも告白できずにいる臆病者……どう?合ってるでしょ?」

なっなんなんだ~っっ!!
これは個人情報保護法にひっかからないのか?

「合ってるも何も……なんでそんなことお前が知ってるんだよ!」

「それは……ひ・み・つ」

「ひ・み・つ……じゃねぇよっっ!!人をおちょくるのもなぁ~!!いい加減にしろっっ!!」

「まぁ……そのうち分かるわよ。私の名前はミクよろしくね」

サラサラのロングヘアー、茶色味がかった髪色。
ちょっと見た目はかわいいその子は――、大きな瞳を俺に向けた。

「……よろしくってどういうことだ?」

「ラッキー指数ゼロの方をお守りするのが私の役目なんです」

らっ……ラッキー指数?

「そんな勝手な、だいたいラッキー指数ってなんだよ!新手の悪徳商法か何かか?そんなつまらん手に引っかかるほど俺も暇じゃねぇんだ、悪いが他あたってくれ」
門前払いをするかのように彼女をあしらう。

「人にはそれぞれ持って生まれた『運』の数ってのが決まっているの。有名人と凡人がいるのがその最もな例。有名人になれる人は元々高いラッキー指数を持っているってわけ。信じたくなければ別にいいけど」

「で……俺は?」

「さっきから言ってるでしょ。ゼロって」
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