ラッキー☆ルーレット
ゼロってことは……つまりその、
運がない。
すなわち『不幸者』ってことなのか?
えっ?そうなのか?

「ゼロっていうのは……増えたりしないのか?そのラッキーなんとかというやつは」

「今までの過去の例ではラッキー指数が増えた人はいないわね。でも大丈夫!この私がいればどんな不幸も幸福に変えてみせるからっ!!」

確かに言われてみればこれまでの俺の人生ツイてないことばかりだったような。
小学校の入学式行く途中に近くのドブ川に落ちたり、中学の時は入学早々、階段踏み外して二階分落下、複雑骨折で即病院に連れていかれたっけ、高校では入学式の日を一日間違えて登校しちゃったんだよなぁ。
……って、ツイてないって言うより俺の不注意のせいってのもあるけど。
もしかしたら、これら全部『ラッキー指数』が関係しているのか?

……ダメだ!

こいつの言うことを安易に信じてしまってはヤツの思うツボってもんだぜ。

俺は彼女に構うことなく家に向かって再び歩き始めることにした。



「どこまでついてくる気だ?」

「もちろん家まで」

「あのな~お前もバカなこと言ってないでとっとと帰れ!親も心配してるだろ?それに俺は男だ、女の子を連れて帰るわけにはいかねぇんだよ!」

「……どうして?」

「どうして……って、それは──、親にいろいろ詮索されるだろうし……第一、お前のことをどう説明すればいいんだよ」

「そっか、私としたことがそこまで考えてなかったわ。ごめんなさい」

「分かってくれればそれでいいんだけど……」
< 4 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop